中学3年の10月の終わりごろ、学年主任の先生に放送室に呼ばれた。何かまずい事でもしたかな?と思いながら放送室に行くと既に先生が来ていた。「高橋、お前公立高校を希望しているが、内申書が悪いから公立は諦めろ!公立はどこを受けても落ちる!私立なら受かる!親と相談しろ!」と言われた。別に腹も立たなかった。しかし困った。親に相談しろと言われても、私立は無理と言われるのが分かっていた。とりあえず、その日の夜に話はしてみた。やっぱりダメだった。
公立はダメ!私立もダメ!定時制なら行けるのか?などと考えながら学校からの帰り道を一人で歩いていた。いつも通る通学路である。ふと自衛官募集のポスターが目に入った。よく見ると自衛隊生徒募集と書いてある。応募資格、中学卒業見込みの者と書いてある。自衛官には高校を卒業しないとなれないと思い込んでいたので、何度も読み直した。確かに中学卒業見込みの者と書いてある。中学卒業見込みの者って誰だ?!俺か?俺だ!ポスターに書かれていた電話番号を生徒手帳にメモして、近くの公衆電話から電話をした。「あの~応募したいんですが…」名前と住所を訊かれた。電話の人は、「直ぐに行きます。家にいてください!」と言う。「えっ?今日来るんですか?」「行きます!」「まだ親に話してません」「直ぐに行きます!」