朝6時に総員起こしのラッパが鳴る。ラッパが鳴り終わると同時に起きて、3分で外に整列しなければならない。ただ起きて整列するだけなら出来るが、ベッドを畳んで、作業服に着替えなければならない。班全員が出来るまで何度もやり直しをさせられた。一人でも遅いと班全員がやり直しである。
3分以内に整列出来るようになると、ベッドの畳み方が悪いと言われる。言われるだけならいいが、ベッドを剝がされる。あまり酷いと、2階の窓からベッドを捨てられる。シーツをピンと張って、毛布は3枚耳を揃えて畳まなければいけない。慣れてくれば苦にもならないが、初めの頃は大変である。
外に整列をして、号令調整、乾布摩擦、海上自衛隊第1体操をやって、掃除である。朝の掃除は主に外回りである。海上自衛隊の敷地には何故か桜の木と、松の木が多い。桜が咲いているうちはいいが、散り始めると大変である。花びらを一枚も残さないで掃除しろと言われる。掃いても掃いても、次から次へと花びらが落ちてくる。何度桜の木を切ってやろうと思ったか分からない。桜の花が終わると松の実が落ちてくる。地面がオレンジ色の絨毯になるくらい松の実が落ちてくる。この江田島というところは、教官や先輩だけでなく、桜や松まで優しくない。