夏休み前にもう一つハードルがあった。
海上自衛隊生徒は、生徒期間中に実用英語検定3級に合格しなければならないことになっているらしい。中学卒業レベルで、ほとんどの生徒は1回目の試験で合格するらしい。私はほとんどの生徒ではない。
一次試験は筆記である。これは全員が合格した。問題は二次試験の実技である。会場は広島市内だった。貴重な日曜日に、制服を着て行かなければならない。他の同期は余裕の表情に見えた。私はドキドキである。
試験は試験官と一対一で行われた。私の試験官は年配の女性だった。部屋に入ると、朝ご飯は食べたか?とか、ここまで何で来たのか?とか英語で質問された。次にカードを渡された。音読しなさいと言われたような気がした。音読が終わると、声を出して読むように言われた。読むことは読んだが、何が書かれているのか全く分からない。質問は5問だった。何を聞かれているのかもよく分からなかった。適当に答えた。
試験が終わって、待ち合わせ場所に行くと同期が集まっていた。みんな自分に配られたカードの内容について話している。カードは何種類かあったらしい。私のカードについて聞かれたが、答えられなかった。
合否判定の通知は郵便で来る。夏休みの直前に班長から一人一人に配られた。楽しい休み前の試練だ。