毎年12月に全国自衛隊柔道大会が、陸上自衛隊朝霞駐屯地内の体育学校で行われる。文字通り全国の陸・海・空自衛隊の各部隊がチームを作って出場してくる。
私たち生徒も陸上自衛隊生徒、海上自衛隊生徒、航空自衛隊生徒がある。生徒対抗戦は1チーム7名で、3幕の総当たり戦である。試合は午後一番に行われるが、出場している各部隊の柔道選手が陸海空に分かれて応援をしてくれる。そのため応援が凄いことになる。正に陸海空それぞれの名誉を掛けた戦いとなるのである。
生徒対抗戦は歴史が浅く、私が1年生で出場した大会が第3回大会であった。生徒対抗戦には不釣り合いなほど立派な優勝の盾があった。優勝盾は3回連続で優勝すると返さなくていいことになっていた。第1回大会も第2回大会も陸上自衛隊生徒が優勝していた。今年陸上自衛隊生徒が優勝すると、あの盾が取られてしまう。
私は3年間、先鋒で出場した。1年生の時の初戦は航空自衛隊生徒とだった。なぜかこの時の試合だけ覚えている。普段練習でも使わない「内股」で一本を取った。私が出場した3年間、海上自衛隊生徒は負け知らずで、優勝盾を江田島に持ち帰った。第6回大会の時に事務局から盾を返してほしい言ってきたが約束が違うと断った。その時の盾は、今でも江田島の生徒資料館にある。