卒業までの3ヶ月間に、厳冬訓練、短艇競技(短漕)(遠漕)、
海自柔剣道大会、島内行軍、防火実習、積雪地訓練、
四国研修と行事が目白押しである。
そんなある日、以前の分隊長から第1術科学校庁舎に呼び出された。
少年術科学校が第1術科学校に統合される前は同じ校舎内に教官の部屋があった。
今は第1術科学校まで行かなければならない。
同じ隊内とはいえ自衛隊の敷地は広いのである。
尋ねると、広い部屋で応接セットまであった。
椅子をすすめられ、コーヒーまで出してくれた。
武勇伝には事欠かない教官が笑って世間話をしてくるのである。
分隊長の頃とは大違いである。
嫌な予感がした。
すると「よく猫被ったな〜、4年間猫被れたら本物やろう」と笑いながら言われた。
何を言っているのやら。
「俺は、お前が学校に入った時から、いつ本性を現すか楽しみにしとったんよ〜、
残念や〜」
何が残念なんだ?(心の声)
「お前が入る前に全部調べた、だから、全部知っとる。ハハハ」
一人で喋っている。
私は「は〜」とか「そうですか」とか、そんな生返事しか出来なかった。
最後に「卒業まであと少し、頑張れや」と言われて、解放してもらった。
古傷はバレていたのである。