部隊配属先発表の日が近づいてきた。
以前お話しした通り、私は横須賀を母港とする艦隊所属の護衛艦を希望していた。
分隊長から横須賀教育隊の教官はどうかという話があったが断った。
生徒を卒業して、一度も部隊経験がない者が新入隊員の教官なんて出来るとは思えなかったのである。
発表の前日、分隊長に呼ばれた。
「お前は横須賀地方隊所属の護衛艦だ。艦隊じゃないが横須賀だ。艦名は明日発表する。」と言われた。
地方隊所属の護衛艦は艦隊所属の護衛艦に比べてサイズが小さい。
横須賀の護衛艦ということで2/3希望が通った。
発表当日、私は2級無線通信士の予備試験のため広島市に行かなければならなかった。
朝、分隊長から「安心して行ってこい。」と声を掛けられた。
試験が終わり、夕方、学校に戻った。
机の上に紙が置いてあった。
「髙橋君、大湊おめでとう!」と書かれてあった。
大湊?青森?横須賀じゃない。
同期から「分隊長が呼んでいる」と言われた。
呼ばれなくとも行くつもりだった。
教官室に入ると、分隊長から「髙橋、申し訳ない。大湊に行ってくれ。大湊も住めば都だ。」
「分隊長は大湊に行ったことあるのですか?」
「ない」
私の配属先は大湊地方隊所属の「護衛艦おおい」と決まった。