中学3年の前期、学級委員長に選ばれた。クラスの陰謀だと思った。更に、学年委員長にも選ばれた。同級生全員の陰謀だと思った。学年委員長は学級委員長の中から選ばれて、学級委員長を束ねる仕事である。
最初の仕事は修学旅行だった。当日の朝、担任の先生から電話があった。「ドクターストップで行けなくなった。代わりの先生が行くが、何も分からないだろうから、高橋あとは頼んだぞ!」学級委員長だけでも大変なのに、学年委員長と先生の代わりまでしなければならなくなってしまった。行先は東京・鎌倉である。
修学旅行二日目の晩、他のクラスの先生に呼ばれた。先生の部屋に行くと、数名の先生が集まっていた。もちろん飲み会である。他のクラスの先生から「高橋!よく立ち直ったな~!」…?「先生たちは心配していたんだぞ!」…?何のことだ?全く分からない!「高橋!お前も飲むか?」「よし!飲んだら部屋に帰って大人しく寝るんだぞ!」おおらかな時代である。
中学3年の後期、今度は規律委員長に選ばれてしまった。よりにもよって私が規律委員長とは、最も合わない役職である。何を考えているのか?学校は私を規律委員長にしておけば、規律違反をしないと思ったのかもしれない。学級委員長、学年委員長、規律委員長、絶対に誰かが陰で糸を引いているに違いない。