夏休みと言ってもタダでは休ませてくれないのが自衛隊だ。休暇期間中に母校の中学校で広報活動をしなければならない。広報活動と言っても学校も夏休みだ。
担任だった先生に連絡を取って訪問する日にちを調整した。当日、上下白の七つボタンの制服で学校に向かった。なぜか正門が閉まっていた。インターホンで来校を告げると、女性の声で「このままお帰りください。」と言われた。書類に中学校の印をもらわないといけない旨を話した。「しばらくお待ちください」と言われ正門の前で待たされた。しばらく待っていると担任だった先生が出てきて、門を開けてくれた。書類を渡すと「正面玄関で待っていろ」と言われ、校舎の玄関で待たされた。どうやら学校には入れたくないらしい。
しばらくして校長室に案内された。校長先生に挨拶をして来校の趣旨を話した。校長先生から「中学校の印は押してあげるから、このまま帰りなさい。」と言われた。やはり招かれざる客だったようだ。
職員室に顔を出すと担任だった先生がいた。「冷やし中華を取るから食べて行け」と言われ、ご馳走になった。気を使ってくれたのだろう。職員室を出た。廊下に柔道部の後輩がいた。「みんな待っています。早く来てください。」と2階に連れて行かれた。休みにも関わらず、3年生の後輩が100名以上待っていてくれた。