当時、自衛隊生徒は、陸上250人、海上60人、航空50人が毎年採用されていた。現在は陸上のみである。私が合格した昭和54年は、競争率26倍だったと記憶している。そこそこ優秀な中学生が採用されるわけである。
陸上は横須賀、海上は江田島、航空は熊谷にある学校に入校する。入校すると、各自衛隊専門の授業の他に、普通学の授業があった。普通学とは、普通高校の授業である。
私が入った海上自衛隊少年術科学校の数学の授業が面白い。2回試験をやって、その平均点で成績順に3クラスに分けられる。成績のいい方から、A・B・Cである。私はCクラスである。Cクラスの授業は次の試験の試験勉強を中心に行われる。言い換えると、Cクラスは落ちこぼれ組である。
一度だけAクラスになったことがあった。授業内容が全く分からない。同じ教科書を使っているにもかかわらず、別な授業をやっているようだった。同じクラスの同期は、分かっているようだった。授業に付いて来れず、落ちこぼれと言われる人の気持ちが分かった。分からない授業を受けなければならないのは、正に苦痛以外の何ものでもない。
次のクラス分けでは、当然にCクラスに戻った。