7月からは水泳訓練が始まり、水泳競技、
8月には7マイルの遠泳、幕営(キャンプ)、夏休暇、
9月には小火器射撃と、
4年生が居なくなったからと言って、日々の生活は何も変わらない。
10月からは11月の中央観閲式に向けて行進訓練がはじまった。
何故か小隊長5人のうちの一人に選ばれた。
小隊長は小銃を持たない分、楽かと思っていたら、
目立つ分、教官から注意された。
一番注意されたことは、膝をくっつけろという、とんでもない注意だった。
直立した姿勢で膝がくっつかないのは見栄えが良くないらしい。
そう言われても、私は元々O脚で膝がくっつかないのである。
入隊時の身体検査でもO脚と言われている。
他にO脚じゃない生徒はたくさんいる。
わざわざO脚を選ばなくてもいいだろうと当時は思った。
教官たちは中央観閲式までの1ヶ月間で治せと言う。
毎日、風呂上りに膝を外側から内側に押せと言われた。
若いうちは骨が柔らかいから治ると言うが、
そう簡単にO脚が治るものではない。
結局、脚に力を入れて膝と膝の間を狭めるということが一番効果があった。
そのため直立の姿勢の間中、
脚に力を入れていなければならなくなってしまった。