地元の小学校に入った。2年時の学芸会の出し物は合唱だった。体育館で練習をしていた。とにかく大きな声で歌えばいいのかと思い、一生懸命に歌っていた。音楽の先生から「君と、君と、君」私を含めて3人が呼ばれた。「君たち3人は、音痴だから歌わないで、口だけ動かしなさい。それと目立たないように、一番端に行きなさい。」と言われた。音痴の意味が分からなかった。後で、友達から歌が下手って意味だと聞かされた。それ以来歌うのが嫌いになった。中学でも歌うのは嫌いだった。お陰で、音楽の成績は5段階評価の2である。「音楽」は「音が苦」だった。
動機は不純だが、歌がダメでも楽器ならと思い、中学1年の時にギターを始めた。母親から「1曲弾けたらギターを買っていい。」と言われ、友達の家で練習した。ものにならなかった。中学3年の後半にトランペットを始めた。アルバイトのお金で、トランペットを買ったが、自衛隊には持って行かれなかった。
自衛隊には音楽の授業が無いと喜んでいたら、隊歌訓練があった。歌うことも訓練だった。音楽の授業と違い、上手に歌うことは求められなかった。とにかく元気に、大きな声で歌えばよかった。私でも歌えた。歌うことに対するアレルギーは無くなったが、隊歌訓練で歌うのは、校歌、隊歌、軍歌ばかりである。